太田忠司

久遠堂事件 (トクマ・ノベルズ)

父の行方を捜してほしい、石神探偵事務所に現れた中井田は切り出した。依頼者の父は一代で財閥にまで成長させた会社経営を親族に譲った後、西巻村に移り住み仏像彫刻を始める。二年前、莫大な資金を投じて巨大な釈迦涅槃像を作った直後、謎の失踪を遂げたのだ。探偵・野上栄太郎と助手の狩野俊介は事件を洗い直すため現地へ赴く。涅槃像は内部が刳り貫かれ、お堂と宿坊が造られていた。完成披露で集まった中井田家の親族と同宿した晩、惨劇が起きた。次々と襲われる親族たち。野上は犯人を目撃するが、その姿は...。

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