芦原すなお

東京シック・ブルース (集英社文庫)

葉上容一は上京した。この春から大学でドイツ文学を学ぶために。しかし現実は騒然としたキャンパスとクラス討論の場と化した教室だった。彼はいつしか、老成した感じの同級生の向井礼一郎や、いつも黒いセーターを身に着けた武田倫代に親しみを覚え、かれらとの深い絆を見いだした。時は今、70年を目前に東京は激しく揺れ動いていた。直木賞受賞作「青春デンデケデケデケ」に続く純愛長編小説。

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