イタロ・カルヴィーノ

不在の騎士 (白水Uブックス)

時は中世、シャルルマーニュ大帝の御代、サラセン軍との戦争で数々の武勲を立てた騎士アジルールフォ。だが、その白銀に輝く甲胄の中はからっぽだった。肉体を持たず、意思の力によって存在するこの“不在の騎士”は、ある日その資格を疑われ、証を立てんと十五年前に救った処女を捜す遍歴の旅に出る。付き従うは過剰な存在を抱えた従者グルドゥルー。文学の魔術師カルヴィーノが人間存在の歴史的進化を奇想天外な寓話世界に託して描いた“我々の祖先”三部作開幕。

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