皆川博子

ゆめこ縮緬 (角川文庫)

蛇屋に里子に出された少女の幼い頃の記憶は、すべて幻だったのか、物語と夢の記憶のはざまにたゆたう表題作「ゆめこ縮緬」。挿絵画家と軍人の若い妻の戯れを濃密なイメージで描き出す「青火童女」。惚れた男を慕って女の黒髪がまとわりつく、生者と死者の怪しの恋を綴る「文月の使者」他、大正から昭和初期を舞台に、官能と禁忌の中に咲く、美しくて怖い物語八編。

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