ブレイディみかこ

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

大人の凝り固まった常識を、子どもたちは軽く飛び越えていく。世界の縮図のような「元・底辺中学校」での日常を描く、落涙必至のノンフィクション。

ひかる
人種や経済・階級格差、性別、移民、EU離脱。英国で見られる多くの社会問題を、日本人の筆者と英×日のミックスの息子が、生活に根差したリアルな視点から問題や悩みにぶつかり視野を広げて成長していくノンフィクション。
テレビやニュースではマクロ(筆者曰く「焼き鳥のくし」)を主に扱うけれど、実際の生活者同士の関係性や微妙な心理、不快に思うことや多様性を乗り越えてつながっていく様子(「焼き鳥」1つ1つ)は、特に多様性の少ない日本では触れる機会が少ないので、非常に勉強になったしエンパシー(境遇の違う他者について想像する能力)が養われた気がする。
しかし、内容は決して難しくなく、むしろ筆者と息子のキャラクターが魅力的で色々なタイプのストーリーが描かれるのでエンタメとしても楽しく読める。
ノンフィクション本大賞受賞も納得!
2019年12月16日
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