中井久夫

隣の病い (ちくま学芸文庫)

病いへの深い洞察と患者への共感に満ちた珠玉のエッセイ集。新たな着想の展開を試みた「時間精神医学の試み」や「難症論」、平明な言葉で解き明かされる「統合失調症の病因研究に関する私見」や「サリヴァンの統合失調症論」、周到な観察が思わぬ姿を描き出す「霧の中の英国経験論」や「ハンガリーの旅」、近代史を卓抜な視点から瞥見した「引き返せない道」や「1990年の世界を考える」、災害と社会の相関を論じた「阪神大震災後四カ月」や「災害と危機介入」、そして著者の多彩な内面を物語る「現代ギリシャ詩人の肖像」や「詩の音読可能な翻訳について」など39編のエッセイを収める。

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