瀧波ユカリ
ありがとうって言えたなら
決して仲のいい母娘じゃなかった。 だからこそ、今、お母さんに伝えたいことがある——。 余命宣告、実家の処分、お墓や遺影のこと、最後の旅行、そして緩和ケア病棟へ。 「母の死」を真正面から描いた、涙なしでは読めないコミックエッセイ。 *** 「すい臓のほうに何かあるって」。 大阪で暮らす姉から、エネルギッシュで毒舌でコワモテの美人の母が、余命1年のすい臓がんだと告げられた。 釧路で一人暮らしをしていた母は、看護師をしている姉の元へ身を寄せ、通院と治療が始まった。抗がん剤の副作用や痛みに気分が浮き沈みし、母のイライラは最高潮。心はガチガチに閉じていて。 余命宣告、実家の処分、お墓や遺影のこと、家族総出の最後の旅行、そして、緩和ケア病棟へ。誰もが経験する大切な人との別れは、想像と違うことばかり……。 決して仲のいい母娘じゃなかったかもしれないけれど、だからこそ、今、お母さんに伝えたいことがある——。 思わず「お母さん」ってつぶやきたくなるコミックエッセイです。