西村幸祐

日本人に「憲法」は要らない (ベスト新書)

日本に「憲法」という言葉が初めて現れるのは、養老4年(720)に完成したとされる『日本書紀』にある「皇太子親肇作憲法十七條」の一文である。いわゆる聖徳太子の「十七条憲法」だ。イギリスとの独立戦争に勝利した後に作られた「アメリカ合衆国憲法」は、1788年に発効された。それ以前にアメリカには憲法はない。国がなかったのだから当然だ。「フランス憲法」もまた、“革命”によって作られたものである。ヨーロッパで最初に「憲法」を立てた国はイギリスだと言われているが、イギリスには、一冊にまとまった“憲法典”は存在しない...。イギリス以上に歴史のある日本は、実は、国家運営の基盤としての“憲法典”を必要としない国なのである―。

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