楠木誠一郎
江戸の御触書 (祥伝社新書)
江戸には高札場が三十五カ所あった。そこに掲げられた御触書には、何が書かれていたのか?何が禁じられ、何が許されたのか?本書は一〇〇の御触書を解説し、そこから町奉行の政策と庶民の暮らしを考察したものである。為政者は禁令を乱発し、ほとぼりが冷めると人々はまた欲望のままに動き出す。その繰り返しから垣間見えるのは、お上と庶民の絶え間ない緊張関係だ。しかし、厳しいだけではない。災害が起これば救いの手を出し、凶悪犯捜査には懸賞金をつけた。非情と温情が交錯する御触書から、生々しい江戸の暮らしが甦る!