梶山季之

族譜・李朝残影 (岩波現代文庫)

朝鮮で植民地官僚の家庭に生まれ、敗戦の年に内地に引き揚げた著者は朝鮮を舞台にした作品を何作も執筆している。創氏改名が朝鮮の人々をいかに蹂躙したかを描いた「族譜」。日本軍の民衆虐殺事件が作品の要となる「李朝残影」。いずれも朝鮮植民地支配と日本人の責任を問いかけ、朝鮮民衆の受難を描いた作品として極めて完成度が高い。昭和二〇年八月十五日を主題にした自伝的小説「性欲のある風景」も収録。

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