梶山季之

見切り千両 (集英社文庫)

相場師としてその名をとどろかせた父が急死、身を寄せた同業の叔父も祖父を破産させた古垣の子、金之助に相場で敗れ自殺という逆境の中で、丸井辰彦は青年期を過ごした。中学時代には合百の必勝法を編み出し、大学時代には株と米相場でひと財産を作る。そんな折り、借金のかたに古垣金之助は叔父の遺子である玉江と春雄を自らが経営する妓楼に引き取り、姉弟で淫らなことを強要し、これまた自殺に追い込む。すべての経緯を知った辰彦は怒り心頭に達し、天涯孤独にさせた金之助への用意周到な復讐劇が始まる。『赤いダイヤ』の梶山季之が送る復讐相場小説の極致。

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