小谷野敦,斎藤貴男,栗原裕一郎

禁煙ファシズムと戦う (ベスト新書)

猖獗をきわめる昨今の禁煙運動の根源にあるのは、特定の集団を差別したいという心理である。現在の先進社会では、性別、人種などによって人を差別することは、たてまえ上とはいえ、許されていない。そこで、他人に害を与えるという理由のもとに、喫煙者を「汚い」ものと認定し、差別しようとしているのである。これは、かつて肺結核患者やハンセン氏病患者が受けた差別と、ほぼ同質のものだ。二言目には「喫煙者のマナーが悪い、国や自治体が規制してほしい」と言い出し、分煙さえ認めず、全面禁煙を主張する禁煙運動家は、再び全体主義を招来する、恐るべき国家依存症にかかっているのだ。

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