森川展男

サリンジャー―伝説の半生、謎の隠遁生活 (中公新書)

『ライ麦畑でつかまえて』のサリンジャーは、現代のアメリカ作家中で最もよく読まれ、また最もよく議論の種となってきた。一九五三年にニューハンプシャー州コーニッシュへ引き籠り、六五年以降いわば隠遁生活を続けている彼の生活は謎の部分が多い。彼は何から逃げようとしたのか?彼が最も嫌ったのは現代社会の矛盾とその社会を象徴する無関心な人間=大衆だったのではないだろうか?作品を発表順に点検しながら、それを探る。

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