島田雅彦

天国が降ってくる (講談社文芸文庫)

主人公葦原真理男は九州の没落した旧家の末裔。新聞社に勤める父親の転勤によりロシアに暮すが、高校受験のために単身で帰国。父の友人の若い大学助教授中之島妙子の家に寄寓し、異国からの転校生として特異な日常が始まる。高速回転する真理男の精神はやがて晩年の感覚を所有し、自己昇華をめざす。パロディを駆使し、自意識を追究した島田文学の初期集大成。

最初の感想を投稿しよう。