井上達夫

世界正義論 (筑摩選書)

世界では今、貧困が原因で一日に五万人近い命が失われている。他方で二〇〇三年には超大国アメリカが、恣意的な口実でイラク侵攻を正当化し、非戦闘員を含めて少なくとも十万人ものイラク国民が戦死している。世界貧困という巨大な問題が放置され、自国に有利な「正義」が跋扈する現代世界。国ごとに「正義」が異なり、国境の内外でも異なるという現実。こうしたなかで、「国境を越え、覇権を裁く正義」としての世界正義はいかにして可能か。本書は、この問いを原理的・包括的に探究する法哲学の書である。

世界では今、貧困が原因で一日に五万人近い命が失われている。他方で二〇〇三年には超大国アメリカが、恣意的な口実でイラク侵攻を正当化し、非戦闘員を含めて少なくとも十万人ものイラク国民が戦死している。世界貧困という巨大な問題が放置され、自国に有利な「正義」が跋扈する現代世界。国ごとに「正義」が異なり、国境の内外でも異なるという現実。こうしたなかで、「国境を越え、覇権を裁く正義」としての世界正義はいかにして可能か。本書は、この問いを原理的・包括的に探究する法哲学の書である。

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