辻仁成

世界は幻なんかじゃない

かつて旧ソ連から函館に強制着陸し、アメリカに単独亡命した男がいる。当時、高校生だった俺は、函館の空に舞い降りてくるソ連軍機をぼんやり見ていた。そして今、自由を求めて、全てを投げ捨てて来た男に会うため、アメリカを横断する旅に出た。彼が欲しがり、世界中の人が求めていた自由という幻想の霧を晴らすために―。大陸横断鉄道で、熱いエネルギーに満ちたアメリカを旅する辻仁成のフォト・エッセイ。

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