辻仁成

千年旅人 (集英社文庫)

無人の浜で、沖を行く船に手旗信号を送り続ける義足の少女。自らの棺にするために難破船を修理する瀕死の男―。自殺願望を抱く青年が、偶然たどりついた海辺で見た、生と死の風景。映画『千年旅人』の世界を描いた「砂を走る船」ほか、全三篇を収録。個人の生死を超越して流れる、時という大河。その河の「彼岸」に渡らず、悠々と流れを下る“千年旅人”たちがいる...。著者の死生観を示す傑作短篇集。

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