辻仁成

音楽が終わった夜に (新潮文庫)

コンサートが始まる直前の、あの昂ぶりが心地よかった。生活のささやかな出来事を呪文のように並べた歌が好きだった。やがて音楽が終わり、アンコールの手拍子に呼び戻される瞬間が嬉しくてならなかった。みんな、革ジャンの下は素肌で生きていた。夢だけは手放さなかった。ロックの輝きに無垢な魂を燃やして...。’80年代のロックシーン、ひたむきな情熱の光と影を、等身大に活写する。

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