佐川光晴

鉄童の旅

少年は、鉄道に揺られて大人になる。たとえ人生にレールはなくとも――『おれのおばさん』(第26回坪田譲治文学賞受賞作)の著者が贈る、謎と希望に満ちた成長小説。国鉄がまだ健在だった1981年、北海道から東京までひとりで旅をする男の子がいた。室蘭本線、青函連絡船、中央線、東海道線、相模線……男の子の存在は、出会った人々の記憶に深く刻まれる。彼はなぜ、ひとりぼっちで列車に乗っているのだろう――? 切なくて、あたたかい、人と鉄道の「絆」の物語。

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