矢月秀作

もぐら (中公文庫)

新宿の高層ビル街で五十名以上の死傷者を出す爆破事件が発生した。爆心部にいた被害者は、人の遺伝子情報―ヒトゲノムの解析チームに所属していた大学院の研究員であった。一方、裏社会で「もぐら」と恐れられているトラブルシューター・影野竜司は、自分の事件に巻き込み重傷を負わせてしまった恋人紗由美に付き添い、浜名湖畔にある総合リハビリセンターにいた。が、リハビリに励む小学生の男の子が、突然姿を消してしまう。竜司は敷地内の研究施設に不審なニオイを嗅ぎ、爆破事件との絡み合った糸をたぐり寄せていく...。一兆円市場と言われる遺伝子情報産業に蠢く欲望と狂気。新鋭が圧倒的迫力で放つ書き下ろし超傑作ハード・サスペンス。

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