菊地秀行

邪神決闘伝 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)

187X年。なお無法と暴力がまかり通るアメリカの大西部に、4人の無法者が君臨していた。ひとりは信じ難い連射能力を誇り、ひとりは見えない相手すら射殺、ひとりは射たれても、死なない、そして、最後のひとりは別の自分を造り出す。賞金稼ぎのおれは、ある日、彼らのひとりを仕留めるが、死体は夢のように消えた。彼らは、海底に眠る邪神―クトゥルーの夢が実体化したものだったのだ。おれは道連れとなった奇怪な日本人シノビと、開拓者の妻で残る3人の無法者の行方がわかると主張するポーラとともに、凶悪無慈悲な“夢法者”を追いかける。コルト45、ウィンチェスター73、砂をまいて走る駅馬車とコマンチ族の襲撃、生命を賭けた早射ち決闘、そして、無法の街ダッジ・シティとトゥームストーン。砂塵吹きすさぶ大西部を舞台に、クトゥルーの魔力を身につけたガンマンたちと、“おれ”の拳銃さばき、そしてシノビの“忍法”が、一読眼を離せぬ死闘を展開する。世界に例がない「クトゥルー・ウェスタン」、ここに誕生。

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