田中芳樹

髑髏城の花嫁 (Victorian Horror Adventures 2)

クリミア戦争から祖国への帰途、エドモンド・ニーダムと戦友は特命を受け、瀕死の青年をダニューヴ河畔にある髑髏城へと送り届けた。巨大な頭蓋骨を模した城の外観、陶磁器の人形のような女主人、黒装束に身を包む召使たちの姿は、奇異な印象をふたりに与えた。その後、無事祖国イギリスに戻り、姪のメープルとともに会員制の大手貸本屋で働き、多忙な日々を送るニーダムは、ある日ロンドンで、かつて城へと送り届けた青年と再会を果たす。別人のように生命力溢れる青年は、伯爵を名乗り、ノーサンバーランドにある屋敷での仕事を依頼したいと言う。はりきる姪とは反対に、ニーダムは不吉な胸騒ぎを感じていた。奇しくも“髑髏城”と呼ばれる屋敷で、ふたりを待ち受けていたのは、想像を絶する奇怪なできごとだった。

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