東良美季

デリヘルドライバー

男たちの欲望と 女たちの切ない思いを乗せて。 東京の夜を走り続ける男たちの真実。 デリバリーヘルスは、ほとんどが夕刻から早朝にかけて営業される。 文字通り夜の闇に覆い隠されているとも言える。 そんな闇に包まれたデリヘルの内情を、誰よりも肌で感じているのがデリヘルドライバーたちだ。 バイオリン学生コンクール日本一、ヤクザ、闇金、プッシャー、風俗店経営者、元女性で性転換の後にデリヘルドライバーに…… さまざまな道のりを経て、デリヘルドライバーという職業にたどり着いた9人の男たちのドラマ。 デリヘル嬢たちは自分と自分についた客しか知らないが、彼らドライバーは多数の女性を乗せ、さまざまな街から街へと走り、多種多様な客へと送り届けている。 欲望が満ちた夜の中で、デリヘルドライバーだけが確かなフィジカルを持ち、自分の腕でハンドルを握り、自分の足でブレーキとアクセルを操り、確かな現実世界とデリヘル嬢を乗せ客の元に走らせている。 そんな世界の中で、デリヘルドライバーたちはいったい何を見て、何を感じ、何を思うのか。 また、この実態のない夜の中で、彼らは何を見て何を獲得したのだろう。 それは本書に登場する九人の男たちが明らかにしてくれるはずだ。 【目次】 Prologue ~東京の闇を駆け抜ける者たち~ 第一章「桜」 第二章「スピードが命」 第三章「八つの携帯電話」 Intermission ~坂道~ 第四章「Bボーイ」 第五章「最後の記憶」 第六章「夜の魚」 Intermission ~テーマパーク~ 第七章「凄み」 第八章「バイオリン」 第九章「間違い電話」 Epilogue ~デリヘルドライバーたち

最初の感想を投稿しよう。