重松清

小さき者へ (新潮文庫)

お父さんが初めてビートルズを聴いたのは、今のおまえと同じ歳―十四歳、中学二年生の時だった。いつも爪を噛み、顔はにきびだらけで、わかったふりをするおとなが許せなかった。どうしてそれを忘れていたのだろう。お父さんがやるべきこと、やってはならないことの答えは、こんなに身近にあったのに...心を閉ざした息子に語りかける表題作ほか、「家族」と「父親」を問う全六篇。

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