高橋三千綱

ハート型の雲

「アノ家は貧乏だからよ。貧乏すぎるからよ」―順風満帆かと思われた東大卒官僚との縁談に対する、「鬼婆」と言われた母からの反対。箱入りで育てられた家を飛び出した恵美子の運命は。そして、実家の会社から造反し独立した兄・貞夫を待つのは成功なのか、破滅なのか。昭和の東京・浅草。時代を駆け抜けた家族の息遣いを生々しく描く、芥川賞作家渾身の一作。

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