マガジンハウス
BRUTUS特別編集 合本 危険な読書(マガジンハウスムック)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※本ムックはカラーページを含みます。お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。 ある人は言った。 この世に本は2種類しかない、 読むに足らない本か、読んでもロクなことにならない本。 宗教改革の立役者として知られるルターは 聖書を唯一無二のよりどころにして、読み込んだ。 丁寧に、丁寧に、読み込みすぎたゆえに、 その読書は人生を、世界を変えてしまうほどの危険性を孕んだ。 ある学者は言った。 本には持つだけで力を宿すような、 ある種の“マジカル”がないと駄目だ。 例えばバチカンが聖書の写本1冊持っているだけで世界を征服したように。 ある詩人は言った。 たとえそれがどんな本であれ、本は危険になり得る。 なぜなら人は自分の中の“怪物”に出会うために読書するのだから。 悪徳の書ですら、毒にもならないときがある。 読書が危険になり得るかどうかは内容の過激さにはない。 その本をどう読むのか。 ただ共感を得ることを目的とせず、 当たり前と思っていた価値観を崩壊させる、 激しい心を揺さぶる読書。 たった1冊であっても、 本は世界を変容させる力を秘めている。