姫野カオルコ

お金のある人の恋と腐乱 (徳間文庫)

恋愛で結びつくなどという結婚は、働かないと食べてゆけない人がすること―。上流階級でしか暮らせない男女のめぐり逢いを、醒めた文体で描いた、四篇からなるロンド小説。欲望を経た純愛、秘かな被虐性愛、静かに熱を帯びる片恋、南島での邪淫。満ち足りた暮らしの満たされない孤独を、四組の「わたし」と「藤沢さん」が織りなす。異才が贈る、正しい背徳と倦怠。

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