葉室麟

嵯峨野花譜 (文春文庫)

舞台は文政13年(1830年)の京都。 年若くして活花の名手と評判の高い少年僧・胤舜(いんしゅん)は、ある理由から父母と別れ、大覚寺で修行に励む。 「昔を忘れる花を活けてほしい」「亡くなった弟のような花を」「闇の中で花を活けよ」 ……次から次へと出される難題に、胤舜は、少年のまっすぐな心で挑んでいく。 歴史、能、和歌にまつわる、あるいは生まれたままの、さまざまな花の姿を追い求め、繊細な感受性を持つ少年僧が、 母を想い、父と対決していくうちに成長をとげていく、美しい物語。 【目次】 忘れ花 利休の椿 花くらべ 闇の花 花筐(はながたみ) 西行桜 祇王の舞 朝顔草紙 芙蓉の夕 花のいのち

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