諸田玲子

思い出コロッケ (新潮文庫)

美人でもなく、賢そうでも若くもない女に惹かれ、家を出た夫。あの人となら暖かい家庭を築けると思ったのに、なぜ―。知人の電話から、夫婦関係の冷たさを思い知る(「コロッケ」)。不倫に疲れ、帰省した先が出会った事件から、まっとうな家族の温かさと女の独り身の侘びしさに気づかされる(「黒豆」)。昭和を舞台に大人の恋、男女の情愛、そして家族の真実を描いた静謐な七篇。

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