芦辺拓

綺想宮殺人事件

琵琶湖畔にそびえる壮麗な怪建築群―“綺想宮”を訪れた名探偵・森江春策を待ち受けていたのは、美しき案内人・二十重亜綺楽と七人の奇怪な滞在客だった。この不可思議な宮殿に森江が到着した晩、自動的に詩をつむぐ機械「大発見」が火精、水精、風精、土精の呪文を歌い上げた。翌日から、天地創造の七日間を表わす曲が奏でられる中、滞在客は次々謎の死をとげてゆく。暗室で発見された五芒星の上の焼死体、毒草園に描かれた九芒星と地中に埋められた死体...それぞれの死体に過剰なまでに凝らされた「見立て」は何を意味するものか?本格ミステリを愛し、その神髄を知り抜いた著者が「探偵小説の最期」に捧ぐ訣別の書。

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