高橋秀樹

神話から見た古代東地中海沿岸の文化交流

文化交流には、それによって生じた何らかのものの共有が基盤となって、双方の、あるいは各個それぞれの独自性が逆に顕在化し、それぞれ固有の色が発現する場合もある。交流はしばしば目の前にある可能性を豊かにする。可能性の多様さが自覚されるとき、そこから始まる営みは意思的で意図的な選択となり、創造となって、思わぬところで個性が尖鋭化していくことがある。本書が目を向けようとするのは、そのような局面である。

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