原民喜

原民喜全詩集 (岩波文庫)

「ヒロシマのデルタに/若葉うづまけ/死と焔の記憶に/よき祈よ/こもれ」―広島での原爆被災を描いた小説「夏の花」で知られる原民喜(1905‐51)はまた、生涯を詩人として生きた。生前に清書され、親友により没後すぐに刊行された『原民喜詩集』に加え、自身で編んだ「かげろふ断章」ほか拾遺詩篇を収録。現実と幻をともに見つめ、喪った者たちのために刻まれる詩は、悲しみと希望の静かな結晶である。

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