天童荒太,荒井良二

どーしたどーした

小学三年生のゼン。「どーした」が口ぐせの、元気のいい少年だ。ゴキブリをこわがるママにもどーした、休日にテレビばかり見ているパパにもどーした、不満顔のおねえちゃんにもどーした。ふうせんを手ばなしてしまった女の子、ベンチで泣いている若い女の人、暗い顔で橋の上にたたずむ男の人...知らない人にだって、どーした、と平気で声をかける。ある朝、学校へ向かう途中の公園で、ゼンは同じ年ごろの少年に出会う。少年の顔色がへんに見えて...もちろん、ゼンはきく。「どーした」と。いつだって、どこだって、子供は未来。今、届けたい大切な物語。

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