田中洋
ブランド戦略全書
ブランドは、1990年代から2010年まで四半世紀にわたって、研究と実務の両面でマーケティングの中心的課題であり続けてきた。その本質的な理由は、ブランドという存在がなければ、マーケティングにおける価値の交換もありえないからだ。ブランドがあってこそはじめて持続的なマーケティング活動が成り立つのである。またマーケティング実務においても、強力なブランドを構築するにはどうしたらよいのか、という課題はさらに重要性を増してきた。企業経営を行ううえでも、ブランドは経営の基盤を構成する重要な要素であることが経営者の共通の認識として語られるようになったのである。本書の目的はこうしたブランドという存在を、研究と実践の両方から包括的に考察することにある。