奥泉光

浪漫的な行軍の記録

太平洋戦争末期、レイテで、真名瀬は石に魅せられる。戦後も、石に対する執着は異常にも思えるほど続くが、やがて、子供たちは死に弄ばれ、妻は狂気に向かう。現実と非現実が交錯する芥川賞受賞作「石の来歴」。兵士たちのいつ終わるとも知れぬ時空を超えた進軍、極限状況の中でみたものは...帝国陸軍兵士の夢と現を描く、渾身の力作、「浪漫的な行軍の記録」所収。

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