講談社文芸文庫,齋藤秀昭,泉鏡花,樋口一葉,田山花袋,徳田秋声,川上眉山,広津柳浪,小栗風葉,前田曙山,北田薄氷,江見水蔭
明治深刻悲惨小説集 (講談社文芸文庫)
死、貧窮、病苦、差別――明治期、日清戦争後の社会不安を背景に、人生の暗黒面を見据え描き出した「悲惨小説」「深刻小説」と称された一連の作品群があった。虐げられた者、弱き者への共感と社会批判に満ちたそれらの小説は、当時二十代だった文学者たちの若き志の発露であった。「自然主義への過渡期文学」という既成概念では計れない、熱気あふれる作品群を集成。