菊地秀行

ヨグ=ソトース戦車隊 (The Cthulhu Mythos Files)

一発の命中弾で彼らは目を覚ました。何故俺たちはここにいる?日本人戦車長、アメリカ人操縦手、ドイツ人砲手、イタリア人機銃手、中国人通信手。そして、世界最高の戦車。全ての記憶は失われていたが、目的だけはわかっていた。サハラ砂漠のど真ん中にある古神殿、そこへいにしえの神の赤ん坊を届けるのだ。194X年、独伊枢軸軍と米英連合軍が火花を散らす北アフリカ戦線。赤ん坊の運命は次なる邪の神か。地上ではドイツの名将ロンメルとイギリスの猛将モントゴメリー率いる戦車軍団が追いすがり、空からは“撃墜王アフリカの星”操るメッサーシュミットが襲いかかる。彼らは世界を敵に回したのだ。だが、「たとえ化け物でも、すがってくる赤ん坊は殺させねえ」ちっぽけな人間たちの意地と勇気と知恵が、そして、異次元の魔王ヨグ=ソトースの魔力がこれを迎え撃つ。彼らを待つのは砂漠の墳墓か、蜃気楼に浮かぶオアシスか?熱砂の一粒一粒に生と死と殺気をはらんで―

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