作中にも描写されていますがやはりこの本はショパンの別れを聴きながら読みたいです。モルフェウスの領域から引き継がれたオンディーヌの想い、作中でのモルフェウスのオンディーヌへの想い。
孤独の棺に降り注ぐ優しいけど悲しいメロディ…そんな風に感じながら読んでいたい本です。
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母親の死の翌日、ムルソオは海水浴に行き、女とたわむれ、映画をみて笑い、といういつもながらの暮らしの時間をおくる。だが降って沸いた友達がらみのなりゆきで、自分に向けてナイフをふりあげたアラブ人を白昼、ピストルで射殺してしまう。ムルソオは裁判にかけられる。だが、裁判の過程で、かれは反省のそぶりさえ見せない。動機を聞かれて、かれは「太陽のせい」と答える。当局は、かれに、更正不可能な、殺人者らしい人間という烙印を押し、死刑を宣告する。ムルソオは世界の無理解を歓迎してさえいるように死んでゆく。不条理の作家カミュの代表作。

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