閉鎖された孤独。
独りよがりで、行き場のない袋小路に迷い込んだかのようだ。
彼の胸の炎は、絶望の中にたたずむ深淵へと姿を変えてしまった。

思いつめるのは分からないでもない。
ただ、人妻に恋するにはあまりにも若すぎたというだけなのだ。
彼は、婚約者に対して張り合うしたたかさも持っていなかった。

待ちに待った死の世界に行けることに歓喜し、死に陶酔した彼は、タナトスという神に口づけされた人間そのものではなかっただろうか。
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その本に音楽をならそう。
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