うぐはら 川上弘美 どこから行っても遠い町 (新潮文庫) あらすじを読む 捨てたものではなかったです、あたしの人生―。男二人が奇妙な仲のよさで同居する魚屋の話、真夜中に差し向かいで紅茶をのむ主婦と姑、両親の不仲をみつめる小学生、そして裸足で男のもとへ駆けていった女...。それぞれの人生はゆるくつながり、わずかにかたちをかえながら、ふたたび続いていく。東京の小さな町を舞台に、平凡な日々の豊かさとあやうさを映し出す連作短篇小説。 People In The Box 八月 独り、泣きじゃくりながら、 理不尽さにごちている。 誰も見ていないその後ろ。 ひっそり見守っている瞳がある。 生きているだけで幸福なのだ。 無慈悲な世界なのだから、 生きているだけで価値があるのだ。 外側は冷たい風が吹き抜けて、凍えそうだけれど、内側はからだの中のようであたたかい。 毎日誰かが死んでゆく一方、 今日も生きている。 当たり前のように繰り返される残酷な出来事に、目を背けることができるほど強くもなくて。 『きみは息をしている、』 3 0 0件のコメント 送信 シェア 作家 本のタイトル People In The Box 八月 その本に音楽をならそう。 今すぐ投稿する