珊瑚礁のまわりで群れをなす魚のように、導きあう男たちが夜の底をクルーズする――。ゲイであること、思考すること、生きること。修士論文のデッドラインが迫るなか、動物になることと女性になることの線上で悩み、哲学と格闘しつつ日々を送る「僕」。気鋭の哲学者による魂を揺さぶるデビュー小説。

ずらされた禁じられた恋。今の性の近況に置かれている立場。だから何なんだという主人公の叫びと歌詞のはっきりカタをつけてよ、とが交錯する。芥川賞候補作。
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