うぐはら 木下昌輝 絵金、闇を塗る (集英社文庫) あらすじを読む 江戸末期に土佐に生まれ、幼少より絵の才能を発揮し、狩野派の技法を信じがたい短期間で習得した天才絵師―通称“絵金”。免許皆伝を得て帰郷し、土佐藩家老のお抱え絵師となるも、とある事件により追放される...。市川團十郎や武市半平太、前村洞和など、その絵に人生を左右された男たちの生きざまから、絵金の恐るべき芸術の魔力と底知れぬ人物像が浮かび上がる、傑作時代小説。 ハチ 結んで開いて羅刹と骸 丸々と肥えた鶏を屠る。鮮やかな桃色の断面は、まだ瑞々しく温かい。滴る鮮血は天竺牡丹の形に拡がった。人は何故祭の熱に浮かされるのか。蛇のように睦み合い、本能のままに貪る。もっと熱を。血湧き肉躍る筆遣いを。誰からも忌み嫌われ、追放された男は怨恨と陶酔を込めて絵筆を握った。 0 0 0件のコメント 送信 シェア 作家 本のタイトル ハチ 結んで開いて羅刹と骸 その本に音楽をならそう。 今すぐ投稿する