武島剛志と直貴は二人きりの兄弟だった。
弟の大学進学のための金がほしくて、剛志は空き巣に入り、強盗殺人の罪を犯してしまう。
服役中の剛志から直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く。
しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる。
ある職場で疑いをかけられ、倉庫に異動させられた直貴のもとに現れた男性は、「差別はね、当然なんだよ」と静かに言うのだった――。
年月が流れ、家族を持った直貴は、ついにある決意をする。
人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。
犯罪加害者の家族を真正面から描き、映画化(主演・山田孝之)、舞台化もされ、感動を呼んだ不朽の名作。文春文庫史上最速でミリオンセラーとなり、200万部を売り上げるベストセラー。
そんなのは、理想郷だ。
そう言い切ることは誰にでもできる。
この世の絶望をすべてぶつけたかのような展開に、何度も手を止めながら読み進めた。そして気付いたことがある。
この小説は自分自身への挑戦状なのだ、と。
直貴の人生は、彼しか変えられない。
ならば、私の人生は尚更のことだ。
読むときはどうか、覚悟してほしい。
自分自身と向き合わなければ、一ページたりとも進まないのだから。
涙をこらえて読み進めた先に、希望とも違うなにかが、音を立てて拓けてくるだろう。
白いカーネーションでできた橋を渡る、血液の街。裸で吊るされた家畜の姿を見たかい。
砕いた星で餌付けしようよ。口移しがいいな。子どもたちは叫ぶ。機関車みたいだ。
柩の中、女の子が髪で顔を隠して泣いている。林檎の樹が白くなった。干上がった海の色だね。
螢が瞬きをすれば、太陽。ほら目の前だよ。
あなたがわたしの名前を決める。
祝福しようよ。メメント・モリ。
やがて矛盾を知り苦悩したり試行錯誤する♪
「結婚」「出産」「妹ができる」云々おめでたいとされることにたいして
喜びの以外の気持ちを出しづらい…
「今までの自分が一度死ぬ」が、
短編集の共通ワード。
結婚して「私は幸せ」と頭でおもっても、
矛盾がみえて、モヤモヤする感じ。
最後のサビみたい。
インターネットによって失った未来をインターネットによって取り戻す インターネットは世の中の「速度」を決定的に上げた。しかしその弊害がさまざまな場面で現出している。世界の分断、排外主義の台頭、そしてポピュリズムによる民主主義の暴走は、「速すぎるインターネット」がもたらすそれの典型例だ。インターネットによって本来辿り着くべきだった未来を取り戻すには、今何が必要なのか。気鋭の評論家が提言する。 序章 オリンピック破壊計画 TOKYO2020 平成という「失敗したプロジェクト」 「動員の革命」はなぜ失敗したか 走りながら考える 第1章 民主主義を半分諦めることで、守る 2016年の「敗北」 「壁」としての民主主義 民主主義を半分諦めることで、守る 民主主義と立憲主義のパワーバランスを是正する 「政治」を「日常」に取り戻す インターネットの問題はインターネットで 第2章 拡張現実の時代 エンドゲームと歌舞伎町のピカチュウ 「他人の物語」から「自分の物語」へ 「他人の物語」と映像の世紀 「自分の物語」とネットワークの世紀 『Ingress』から『ポケモンGO』へ ジョン・ハンケと「思想としての」Google 仮想現実から拡張現実へ 拡張現実の時代 個人と世界をつなぐもの 物語への回帰 「大きな物語」から「大きなゲーム」へ 文化の四象限 第3章 21世紀の共同幻想論 いま、吉本隆明を読み直す 21世紀の共同幻想論 大衆の原像「から」自立せよ 「消費」という自己幻想 吉本隆明から糸井重里へ 「政治的なもの」からの報復 「母性のディストピア」化する情報社会 第4章 遅いインターネット 「遅いインターネット」宣言 「速度」をめぐって スロージャーナリズムと「遅いインターネット」 ほんとうのインターネットの話をしよう 走り続ける批評