砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet (角川文庫)

桜庭一樹

その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。あたし=中学生の山田なぎさは、子供という境遇に絶望し、一刻も早く社会に出て、お金という“実弾”を手にするべく、自衛官を志望していた。そんななぎさに、都会からの転校生、海野藻屑は何かと絡んでくる。嘘つきで残酷だが、どこか魅力的な藻屑となぎさは徐々に親しくなっていく。だが、藻屑は日夜、父からの暴力に曝されており、ある日――直木賞作家がおくる、切実な痛みに満ちた青春文学。

ベストBGM
誰もが《銃》を手に生まれてくる
その弾丸は生き抜くために撃つのか、世界からの離脱のために撃つのか
人魚と名乗る白い肌の少女が撃つ弾はそれはそれは甘ったるい、まるで、砂糖菓子のような弾丸
今日も、少女らは引鉄を弾き続ける、生き残るために
自由を求める曲が閉鎖的な田舎の空間に暮らす主人公のお金という実弾を求める感覚と呼応する。