バブルの売り手市場に乗り遅れ、バイトとパチンコで食いつなぐこの男。横道世之介、24歳。いわゆる人生のダメな時期にあるのだが、彼の周りには笑顔が絶えない。鮨職人を目指す女友達、大学時代からの親友、美しきヤンママとその息子。そんな人々の思いが交錯する27年後。オリンピックに沸く東京で、小さな奇跡が生まれる。

読んでいる間に楽曲の歌詞の中で「どうってことないんだ ただのSuperman」というフレーズが横道世之介にはぴったりのフレーズだなとおもい、つけてみました。
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家具職人の壱晴は毎年十二月の数日間、声が出なくなる。過去のトラウマによるものだが、原因は隠して生きてきた。制作会社勤務の桜子は困窮する実家を経済的に支えていて、恋と縁遠い。欠けた心を抱えたふたりの出会いの行方とは。

大きなもの揺るぎないもの 
そう疑いもしないで過ごした♪
家族の愛にいつも守られて♪

守ってくれる家族のもとで育ったことは、
当たり前に思うようで、当たり前じゃない。
と、家庭環境が難しい女の子に惹かれた男性が気づく。

互いに、自分の世界に閉じこもった冴えない気分から抜け出せている、と信じて。
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胎児のように手足を丸め横たわる全裸の女。周囲には赤、白、黄、色鮮やかな無数の折鶴が螺旋を描く―。都内で発生した一家惨殺事件。現場は密室。唯一生き残った少女は、睡眠薬で昏睡状態だった。事件は迷宮入りし「折鶴事件」と呼ばれるようになる。時を経て成長した遺児が深層を口にするとき、深く沈められていたはずの狂気が人を闇に引き摺り込む。善悪が混濁する衝撃の長編。

「そうやって生きていくとね、大人になったとき大変なことになるんだ」×「僕は大人になったよママ」
人が嫌悪すること全てをRという自分の内面の少年に背負わせ、彼と別人格を形成することで大人になった主人公。
あなたは内面の闇を、どうやって処理していますか?
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当たり前のことを続けることは、一種の才能だ。毎日使うものを磨いて綺麗にして、気持ちよく明日を迎える。それだけで日常は少しずつ輝く。心に風が吹き込まれて、生きる愛着が増すのだと。
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本は日用品です。だから毎日売っています。新井見枝香わさわさっと選んでレジにどん。それでいい。

「なんてことはない、当たり前のことをしているだけだ」と叱られそうだけど、頑張っている彼女の姿を見ていたら、応援せずにはいられない。

POPを書いて、本をむさぼり読んで、在庫管理を行い、料理をする。

等身大で、背伸びもなしに、気楽にふらっと立ち寄れる。

顔なじみの本屋のようなエッセイに、最大限の気持ちをこめて、元気いっぱいの応援歌を。
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仙台市の大学に進学した春、なにごとにもさめた青年の北村は四人の学生と知り合った。少し軽薄な鳥井、不思議な力が使える南、とびきり美人の東堂、極端に熱くまっすぐな西嶋。麻雀に勤しみ合コンに励み、犯罪者だって追いかける。一瞬で過ぎる日常は、光と痛みと、小さな奇跡でできていた―。実業之日本社文庫限定の書き下ろしあとがき収録!明日の自分が愛おしくなる、一生モノの物語。

どこまでもまっすぐ突き抜ける男、西嶋。
彼に振り回されながらも、どこか幸せそうな笑みを浮かべる四人。
そんな彼らの、とても贅沢な「青春のモラトリアム」を称賛して、汗水垂らして力強く歌い上げるこの曲を贈りたい。
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2018年本屋大賞受賞後第一作! あのころ言葉にできなかった悔しさを、辻村深月は知っている。切れ味鋭い傑作短編集。

僕たちには夢も現実もない。あるのはそれぞれの「体験」だけだ。だから僕たちの会話は噛み合わない。僕たちは永遠にひとつにはなれない。「でも、それこそ素晴らしいんだ」と思えるには、まだちょっと時間が必要か。
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「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか? 咬みません。躾のできたよい子です」「――あらやだ。けっこういい男」――ある日、道ばたに落ちていた彼、イツキ。さやかが彼から聞いたのはそれだけ。でも、それで充分だった。二人の共同生活は次第にかけがえのない日々となっていく――。花を咲かせるように、この恋を育てよう。『阪急電車』『図書館戦争』の有川浩、最新にして最高のラブストーリー! 番外編に加え、イツキ特製“道草料理レシピ”も掲載!!

歌詞全体が、さやかとイツキの関係性を、
メロディーが『植物図鑑』のやさしさを表しているように感じます!
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塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と町を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女、秋庭と真奈。世界の片隅で生きる2人の前には、様々な人が現れ、消えていく。だが──「世界とか、救ってみたくない?」。ある日、そそのかすように囁く者が運命を連れてやってくる。『空の中』『海の底』と並ぶ3部作の第1作! 番外編も完全収録!!

この本を読むとき必ず聴きます。世界が変わってしまった絶望感を曲や歌詞の雰囲気から感る。辛さの先に希望の光が見えるお話で大好きです。
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CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。

「下流のほうも、悪くなかったと俺は思う」
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草は刈らねばならない。そこに埋もれているもは、納屋だけではないから―。長崎の島に暮らし、時に海から来る者を受け入れてきた一族の、歴史と記憶の物語。第162回芥川賞受賞作。

篠笛の曲です(前奏で終わってしまいますが)。
生きるということは実はとてもシンプルなことなのかもしれません。1つの場所から見たら誰かのエピソードが回っていくだけ。その中の1つの人生を生きているのだと思えば気が楽になります。
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卓越した武勇と揺るぎない忠義でスコットランド王ダンカンの信頼厚い将軍マクベス。しかし荒野で出会った三人の魔女の予言はマクベスの心の底に眠っていた野心を呼びさます。夫以上に野心的な妻にもそそのかされ、マクベスは遂に自分の城で王を暗殺。その後は手に入れた王位を失うことを恐れ、憑かれたように殺戮を重ねていく……。悪に冒された精神が崩壊する様を描くシェイクスピア悲劇の傑作。リズムある名訳でおくる決定版。

先日マクベスを読んでからずっと、マクベスにあう音楽を探していたけど見つからなかったわけですよ。どいつもこいつも弱者の味方しやがってね、玉座で震えている男はいつだって悪者なわけです。

そんな折に、ふとこれを聴いてビビっとキタんです。ああ、なるほど、マクベスは爆弾が怖かったんだな、と。いや納得も納得。

吹っ飛べ♪……やっぱ吹っ飛ぶな♪

こんな感じよね。マクベスって。
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詩人の死の謎を追う僕の孤独な探偵行 気鋭が描く謎と祈りの物語 とある地方都市で、「将来的に、詩を書いて生きていきたい人」が参加条件のSNSコミュニティ、『現代詩人卵の会』のオフ会が開かれた。互いの詩の合評を行い、現代詩について存分に語り合った九人の参加者は、別れ際に約束を交わした。「詩を書いて生きる志をもって、それぞれが創作に励み、十年後に詩人として再会しよう」と。しかし約束の日、集まったのは五人。ほぼ半数が自殺などの不審死を遂げていた。なぜ彼らは死ななければならなかったのか。細々と創作を続けながらも、詩を書いて生きていくことに疑問を抱き始めていた僕は、彼らの死にまつわる事情を探り始めるが……。生きることと詩作の両立に悩む孤独な探偵が、創作に取り憑かれた人々の生きた軌跡を辿り、見た光景とは? 気鋭の著者が描く初のミステリ長編。

死した詩人たちの詩を基に、彼らの死に迫るミステリー小説。
『詩を書いて生きるとは何か』そんな疑心にも似た疑問を抱きながら、それでも詩を書き続け、そして死した詩人達の死因を探る主人公。
その、たくさんの苦悩と絶望に襲われながらも、もがき抗うようにその先にある『答え』を求める姿に、被るものがあった一曲。
始終鬱蒼とした雰囲気を持つ小説とは全く真逆の雰囲気のハードロックソングですが、そのミスマッチさもまた、この主人公の持つ、もがき苦しむさまにはもってこいの、ちぐはぐさを感じました。
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『君の膵臓をたべたい』著者が放つ、最旬青春小説!

小説を読んだとき、ヨルシカの世界観の一つにある「破壊衝動」を思い浮かべた。
「爆弾魔」の背景と、この小説の設定が似ているというわけではないが、ボーカルのsuisさんの歌声の雰囲気と、両者ともに持つ「破壊衝動」に心のどこかで共感していたり、心動かされることがあった。
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ユーロポール連絡員・村野隼介の任務はサッカー八百長賭博の摘発。そして、ひとりの少年を救い出すこと。かつての恩師が殺された。八百長に加わり、逃亡した元アカデミー生を救出に行った末の惨劇だった。亡き師に報いるため、村野は欧州サッカー界の闇に切り込んでいく。危険な任務に就く熱き捜査員たち、汚れた金で私腹を肥やす悪党ども、利用される無垢な選手たち―それぞれの思いが交錯し、クライマックスに慟哭必至のサスペンス長編!

スポーツの外で違法な賭けをしてはいけない。スポーツの中の「ギャンブル」を守るために。

「何があっても、譲れない。そんな勝負が、誰でもきっとあるはずだろう?」
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「すみれがぼくにとってどれほど大事な、かけがえのない存在であったかということが、あらためて理解できた。すみれは彼女にしかできないやりかたで、ぼくをこの世につなぎ止めていたのだ」 「旅の連れ」という皮肉な名を持つ孤独な人工衛星のように、誰もが皆それぞれの軌道を描き続ける。 この広大な世界で、かわす言葉も結ぶ約束もなくすれ違い、別れ、そしてまたふとめぐりあうスプートニクの末裔たちの物語。

村上春樹「スプートニク」の恋人には、Coldplayの「Swallowed In The Sea」が合うと思います。神秘的な雰囲気がいいと思います!
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ある夜、怪物が少年とその母親の住む家に現われた―それはイチイの木の姿をしていた。「わたしが三つの物語を語り終えたら、今度はおまえが四つめの物語をわたしに話すのだ。おまえはかならず話す...そのためにこのわたしを呼んだのだから」嘘と真実を同時に信じた少年は、なぜ怪物に物語を話さなければならなかったのか...。

あるときはイチイの木であり、
あるときは狩人ハーンであり、
樹木神ケルヌンノスである。

そんな怪物の話は、不条理と理不尽に満ちている。

まるで、底なしの悪夢に溺れてゆくかのように、
物語の爪がゆっくりと肩に食い込んでゆくのが分かる。

しかし、ただの不条理で片づけられるならば、
これほどまでにこの物語が支持されることもないだろう。

事実から逃れることは難しくても、
事実を話すことは誰にだってできるのだ。

痛みを伴い、理不尽と向き合いつつも、
いかに生きるかという知恵を与えてくれたこの本に感謝を込めて。

神らしき存在に「魂」を売ろうとする一人の人間について歌った、テッセラクトの「Perfection」で、この残酷で甘美な悪夢を終わらせることとしよう。
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この本のあらすじは準備中です。Amazonで読むこともできます。

「退屈の穴が埋まらない、仕事に穴は開けられない」
その理由が、ここに。
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人は死ぬものなのだと知ったのは、カレーライスを食べた後だった。その死が僕とカレーを結びつけ、もう一つの死が僕の背中を押した。長く奇妙なその旅に、僕の平穏な生活は丸ごとのみ込まれていった。それでも僕は、カレーライスが大好きだ。カレーライスを作る時、無闇やたらと幸せな気分になることがある。僕らみんなが、何か大きなものに包まれているような気がするのだ。史上初、大盛カレー小説!富士・米国・印度・琉球を縦横無尽、ボリューム満点1300枚。

山あり谷あり刺激あり、スパイシーな旅路を想像できる組み合わせ。楽しい仲間にも出会えそう。

残念ながら、歌詞にカレーは出てこないけど...
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貧しく孤独な少年ジョバンニが、親友カムパネルラと銀河鉄道に乗って美しく悲しい夜空の旅をする、永遠の未完成の傑作である表題作や、「よだかの星」「オツベルと象」「セロ弾きのゴーシュ」など、イーハトーヴォの切なく多彩な世界に、「北守将軍と三人兄弟の医者」「饑餓陣営」「ビジテリアン大祭」を加えた14編を収録。賢治童話の豊饒な味わいをあますところなく披露する。

『君は僕の最後の魔法使い』。
君→カンパネルラ、
僕→ジョバンニだ。

碧瑠璃の竜胆が咲き乱れる線路の上を、
鷺と雁が渡る。
その下で白鳥が羽ばたく。

白銀の銀河の風が、
二人の髪を柔らかく揺らす。

切符をなくした二人は、
どこへ辿り着くのだろう。
南十字星の彼方か、
闇くて深い石炭袋の孔の中か。

目的地に着いたら、ポケットに隠した、苹果の薫りがする宇宙を空に打ち上げるのか。

本当の幸いを知るために、
『何処までも、行こう』。

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宮沢賢治は何故、空白だらけの未完の物語を改稿したのだろうか。最終稿でブルカニロ博士の存在を抹消したのは疑問だ。
『双子の星』の物語を一部引用した意味も、
分からない。
自分と、妹トシを重ね合わせていたのだろうか。

永遠に解けぬ謎に満ちた物語であるからこそ、想像が尽きない。
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