"いつだって本当はずっとI wanna say I love you"
一方で不器用な想いには、裏があると思われてしまう。
だから、伝えたいことがシンプルであればあるほど、林檎みたいに真っ赤になる。言葉の裏にあるものなんて、何も知らなかった頃に戻りたい。
青春は言葉にできない衝動と、抑圧からの解放から始まる。
さあ皆、踊る阿呆になって踊り狂え。
後悔も胸に秘めた青い気持ちも、全て脱ぎ去って、本能で踊れ。
ーカリスマ書店員・新井見枝香
『しき』は高校生がダンスをする物語なんですけど、その感じとかもダンスの曲そのものじゃなくて、それを経験する高校生たちの流れるような物語。合いそうなのは『手と手』かな?『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』のアルバムそのものが合う感じもしますね。
ーカリスマ書店員・新井見枝香
感性のままに という歌い出したときがそのまま潮里の心情として綴っている。
あの特別な感情を文芸の最前線でアップデートする新次元の恋愛小説江國香織さん推薦「言葉によって規定されてしまう前の、繊細で野蛮できりのない‘恋’が、容赦なく流れる時間のすきまからこぼれてくる。」京、青澄、土、しき。高校で4人は出会い、恋に落ちた。身体が発熱し、恋愛のぜんぶを出し尽くしてしまった。あの事件が起こるまでは--。あれから15年。歪な力関係の社内恋愛をつづける「京」娘を家庭に縛り付ける毒親から離れられない「青澄」貧しい大家族のなかで育った「土」両親の死から心身に不調をきたし社会との接点を失った「しき」「あけましておめでとう! 久しぶり。みんなどうしてる?」大晦日に送られた京からのメッセージが、どん底のいまを動かしはじめる。各紙誌の話題をさらった『ほんのこども』から1年8か月、著者のすべてを投入した最新長編
4人の登場人物の恋は言葉によってすべて出しきってしまう。繰り返す歴史をアップデートできるだろうか?
家族も友達もこの国も、みんな演技だろ――元「天才」子役と「炎上系」俳優。高1男子ふたりが、文化祭で演じた本気の舞台は、戦争の惨劇。芥川賞作家による圧巻の最高到達点。 かれはこの場のぜんぶを呪っている。 それを才能といってもいい。 そして演じるちからに変えている。 「最高に読み応えがあり、かつ唯一無二の印象がある。時代のフロンティアに刺さっている。」――古川日出男(朝日新聞文芸時評) 「間違いなく、作家・町屋良平のキーとなる作品」―山﨑修平(週刊読書人文芸時評) 本心を隠した元「天才」子役・生崎(きざき)と、空気の読めない「炎上系」俳優・笹岡(ささおか)。性格は真逆だが、同じように親を憎み、家族を呪い、そして「家族を大事に」というこの国が許せない。互いの本音を演じあうふたりはどこへ向かうのか――? 「今この国の空気」を生きるすべての人へ問う衝撃作! 「デビューから7年のすべてを投じました」――町屋良平
♪変わり続けてく 町並みのように
元には戻れない 若き日のふたり
それでも友情が壊れることがない日を思いつつ。異性には理解しがたいが同性ならわかってくれる。町屋良平先生の一連の作品には優しく語りかけてくれる一方で、非情の現実世界を思い知らされるホラー感もある。そんな対比のバランスをうまく取れている。