植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。二人の間に横たわる“歪な真実”とは?毎日の繰り返しに倦んだ看護師、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年ディレクター。交わるはずのない点と点が、智也と雄介をなぞる線になるとき、目隠しをされた“平成”という時代の闇が露わになる―“平成”を生きる若者たちが背負う自滅と祈りの物語。

『球体に守られて 誰もが痣だらけ』

※球体=安全地帯(だと誰もが思っている、酷く不安定なセーフティネットのこと。排他的、閉鎖的な空間であり、部外者から見ると歪なシステム。

ごく稀に、神聖さを見出すものもいる。ただし、大概の儀式がそうであるように、滑稽でオカルティックである。当事者はそうはいかないが。)

『声を返せ 泥棒は笑っている』で男声と女声が混ざり合う。(前半は男声、後半の「泥棒」~は女声)

ここでの泥棒は、伝説を餌にカルト的な物語をでっちあげ、食い物にする連中だ。

糾弾する人々の声(声を返せ)と、
泥棒の思考回路は混じりあわない。背負ってきた価値観が違いすぎるからだ。 

『噂と架空の痛みさえ 城壁は越えない』

奪ったものにスポットライトを当てていたら、理不尽な戦争や、言われもなき差別の歴史が姿を見せた。

僕らは誰も殺せはしない。
ルーツも思考回路も違うのだから。それを必要以上に咎める理由も存在しない。

古臭い差別を信仰する大人も、
それを真に受け、存在価値を探し求める子供たちも、ある意味では被害者かもしれない。
価値観の衝突は、誰にでも当てはまるのだから。

※考察のヒントとして、
峠三吉の原爆詩集をここに明記しておく。

わたしをかえせ/わたしにつながる/
にんげんをかえせ/ 
にんげんの/にんげんのよのあるかぎり/くずれぬへいわを/へいわをかえせ

言い換えれば『(奪われた)生きがいを返せ』ということか。
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「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであった―。究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。

真夜中に輝く白い光は強烈で、それは世界が半分になるからだと彼はいった。
孤独の中で輝く星たちは美しい。誰にも知られない場所でひっそりと光る。
掛け替えのない切ない思い出と、いつもより大きな月と共に。
孤独は敵じゃない。悲しいけれど今は突き進もう。
自分の明確な意思という、道標さえあれば迷わないでいれるから。
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みんな欲しがるお金で
黄色い子犬を買った
みんなほしがる幸せ
強く強く抱きしめた♪

お金=交換の手段。
自分が幸せになるために、お金を使っている歌だ!とひらめいた。

この本で印象的だったのは、
人によってお金の定義が違うこと。(お金は偏差値、お金は権力、悪、天下のまわりもの…)。
つまり、人によって権力をもつこと、偏差値ゲームを勝ち抜くこと、価値観が違うなぁと。
自分にとってお金とは何か?定義すると、
価値観がみえてくる。
価値観がわかれば、幸せなお金の使い方ができるかな?
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累計40万部突破、『流』以来の衝撃!モテ、という人類最大のテーマ。男たちよ泣け、女たちよ笑え―有象無象たちの哀歌、誕生。

男子学生の諸君、フラフラした大学生活を送ってはなりません。酔った勢いで、水面に首を突っ込むのは危険です。ほらほら、また夢と現の境界がぼやけちまって...あれれ?「人生は笑い事ではない、だからこそ笑いが必要なのだ」なんて、立派に哲学しちゃってるよ。本当に大学って、不思議な空間だねぇ。
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陸上部の名物顧問が異動となり、代わりにやってきたのは頼りない美術教師。部長の桝井は、中学最後の駅伝大会に向けてメンバーを募り練習をはじめるが...。元いじめられっ子の設楽、不良の大田、頼みを断れないジロー、プライドの高い渡部、後輩の俊介。寄せ集めの6人は県大会出場を目指して、襷をつなぐ。あと少し、もう少し、みんなと走りたい。涙が止まらない、傑作青春小説。

走るといえばこの曲!
桝井くんになったつもりで聴くと励まされているような感覚になりました。
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「私はただ、ずっと彼のそばにはりついていたいのだ」——OLのテルコはマモちゃんに出会って恋に落ちた。彼から電話があれば仕事中でも携帯で長話、食事に誘われればさっさと退社。すべてがマモちゃん最優先で、会社もクビになる寸前。だが、彼はテルコのことが好きじゃないのだ。テルコの片思いは更にエスカレートしていき......。直木賞作家が濃密な筆致で綴る、〈全力疾走〉片思い小説!

バッティングセンターでスウィング見てから抱きしめたくなった、みたいな訳がわからない愛しさがテルコがまもちゃんに抱いてるそれ。
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いつから私はひとりでいる時、こんなに眠るようになったのだろう―。植物状態の妻を持つ恋人との恋愛を続ける中で、最愛の親友しおりが死んだ。眠りはどんどん深く長くなり、うめられない淋しさが身にせまる。ぬけられない息苦しさを「夜」に投影し、生きて愛することのせつなさを、その歓びを描いた表題作「白河夜船」の他「夜と夜の旅人」「ある体験」の“眠り三部作”。定本決定版。

眠るように命を終えられたら。
あなたは幸せでしょうか。

夢の中で好きだった人に出会いました。嬉しいことです。願わくば醒めないでもらいたい。夜は長いです。永遠だと錯覚するほどに。

いまあなたの指に触れました。
とても冷たいです。
彼岸へ行く途中、星の欠片を掴んで持ってきたからでしょうね。

さようなら。おやすみなさい。
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メキシコを代表する建築家の邸までやってきたのは、かつてのビジネスパートナーの「目」になるためだった──建築事務所を営むキャリア女性の生き方を描いた『皿の上の孤独』を含む、六つの小さな幸せのストーリー。

周りが変わって、自分も変わったけど、ひとりであることだけは変わらなかった。
だからこそ、あの夜の景色を忘れない。
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おいしいものを食べているときと、いとしいセックスをしているとき、女は一番幸せになれる。台所で立ったまま生玉子かけごはんをすする自由。深夜のラーメン屋で相席になった男とのラブアフェア。恋人の裏切りを知った後に食べるチーズの官能。逝ってしまった大切な人たちを想いつつ縁先で傾ける日本酒と肴。味覚と心を研ぎ澄まし、人生の酸いも甘いも楽しむ女たちを祝福する、美味なる短編集。

二つの「本能」を巡るミステリーツアー。

なぜ「この味」でなければダメ?なぜ「あの人」を忘れられない?生きるセンスは謎だらけ。
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ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は、二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けていた。調べを進めるほど、事件の異様さにのみ込まれていく「僕」。そもそも、彼はなぜ事件を起こしたのか?それは本当に殺人だったのか?何かを隠し続ける被告、男の人生を破滅に導いてしまう被告の姉、大切な誰かを失くした人たちが群がる人形師。それぞれの狂気が暴走し、真相は迷宮入りするかに思われた。だが―。日本と世界を震撼させた著者が紡ぐ、戦慄のミステリー!

クライマックスで<僕>は「小説家にはなれないとわかりました」と語る。裏を返せば、彼が遭遇してきた人物は皆、カリスマ的な小説家になれる<領域>にいるのかもしれない。
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9・11を経て、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。 米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう......彼の目的とはいったいなにか? 大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは? ゼロ年代最高のフィクションが電子書籍版で登場。

The band の “Time to Kill”. もちろんタイトルから。「虐殺」が起こる世界の構造に立ち向かうという、重く大きなテーマに立ち向かいながらも、あくまでもポップにストーリーが進んでいく、そのドライブする小説の力に敬意を表して。
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この本のあらすじは準備中です。Amazonで読むこともできます。

いつだって失いたくない記憶を、人は持っている。それがたわいもない夢なのだとしても、人は、小さな小瓶に詰められた砂糖菓子や、シロップ入りのカモミールティーの中に、思い出を探すのだろう。かつて子供だった今の大人たちが、無事に夢を叶えて、子供たちにも起こった出来事を話す、そんな連鎖がこの先起きてくれればいい。

内容を改変しました。
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妻子を愛する42歳の平凡な会社員、本間は、出来心で始めた「出会い系」で「リカ」と名乗る女性と知り合う。しかし彼女は、恐るべき“怪物”だった。長い黒髪を振り乱し、常軌を逸した手段でストーキングをするリカ。その狂気に追いつめられた本間は、意を決し怪物と対決する。単行本未発表の衝撃のエピローグがついた完全版。第2回ホラーサスペンス大賞受賞。

切ない心情を歌っているのに、背後にはずっと不穏な旋律が流れているのが決め手。リカの、底知れぬ闇が浮かび上がるようだ。
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あなたを、助けたい。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。

お姉さんが弟を思う気持ちや、こころのお母さん、喜多嶋先生の思いがこんな風だったのではないかなあ?と思う歌詞
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マニアックだけど、あおいが順正との思い出を回想しているシーン。
彼女が唯一、順正に心を開いていたなーと。
「あらわに心をさらしてよ ずっと二人でいられたらいい」って思ってたのにねぇ。
「表通りには花もないくせにトゲが多いから油断していると刺さるや」
七人の敵、じゃ足りないくらい外はいろんな敵がいるけれど、
「君を抱いたら不安は姿を消すんだ」
ふたりでいて、心にATフィールドがはられるかのような安心感があったのかなーっと。
「くすぐったいような乱暴に君の本能が応じてるとき~日常が押し殺してきた剥き出しの自分を感じる」
「壊れるほどの抱擁とキスで」
あー、若いな...。若い。
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11月19日午前6時42分、僕は彼女に再会した。誰よりも真っ直ぐで、正しく、凛々しい少女、真辺由宇。あるはずのない出会いは、安定していた僕の高校生活を一変させる。奇妙な島。連続落書き事件。そこに秘められた謎...。僕はどうして、ここにいるのか。彼女はなぜ、ここに来たのか。やがて明かされる真相は、僕らの青春に残酷な現実を突きつける。「階段島」シリーズ、開幕。

だからもう、離れない。
二度ともう、迷わない。
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北守将軍と三人兄弟の医者/税務署長の冒険/種山が原/風の又三郎を収録。

もし隣に、又三郎がいたなら、、、
「風を待っていたんだ
風を待っていたんだ」
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魔王とは何者なのか?魔王はどこにいるのか?
世の中の流れに立ち向かおうとした兄弟の物語。

会社員の安藤は弟の潤也と2人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、1人の男に近づいていった。5年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、何気ない日常生活に流されることの危うさ。新たなる小説の可能性を追求した物語。

一人のカリスマ総理のもとで過激化する日本が舞台。

これでいいのかと孤軍奮闘する主人公はまさに見えない敵にマシンガンをぶっ放すかのよう。
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週刊新潮創刊当初からの名物コーナー。男女関係と金銭問題、欲が絡んだ現実の事件をヒントに小説化した。古くは水上勉から津村秀介、令和になってからは岩井志麻子から勝目梓など推理作家から芥川賞直木賞受賞までベテラン作家が好評執筆中。
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1955年。頭に、双子の片割れの死体が埋まったこぶを持って生まれ、周りの人間を次々と死に追いやる宿命を背負った男―ボズ。異能の子供ばかりを集めた福祉施設「白鳥塾」に収容され育つが、そこで出会った少年少女―ヒョウゴ、シロウ、ユウジン、アンジュらによって、ボズの運命は大きく変わっていく―。70年代の香港九龍城、80年代のカンボジア内戦を経て、インド洋の孤島での大量殺戮事件にいたるまで―底なしの孤独と絶望をひきずって、戦後アジアの50年を生きた男の壮大な神話が、いま開幕する。

彼は頭の中に墓を飼っていた。
比喩表現でなく、そこにある事実として。
くだらなく崇高な宗教に利用され、大切な人を無残に殺されてしまった。

理不尽な暴力に否応なしに追われる彼を不憫に思いながらも、何処かで自分に起きてもおかしくないと考えている自分がいる。

「願えば叶うよ」。
それで済めば、この世はずっと生きやすいだろうが。才能不在の自分には、分からない。
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