血の繋がらない親の間をリレーされ、四回も名字が変わった森宮優子、十七歳。だが、彼女はいつも愛されていた。身近な人が愛おしくなる、著者会心の感動作。

血の繋がらない親たちとの暮らしを子の目線から描いている話であるが、僕はこの話の本当の主人公は森宮さんをはじめとする親たちだと思っている。

主人公の女の子は方程式の変数xみたいなもので、彼女の目線や心情が存在することで、それに関わる人たちの心情もなぜか伝わりやすくなるという不思議な構造。

まさにバトンの目線から語ることで、リレー走者全員分のドラマが伝わってくる。

親本人の目線でずっと語る以上の感動が生まれている。

一番感動したのは、森宮さんの優子に対する自然体かつ懐の大きな愛の在り方だ。
未来が2つにしてくれた優子の帰る場所を最後まで守り続けてくれた彼が、次にバトンを回すときの晴れやかさと重みは、特に大きな事件も起きない日常のシーンを丁寧に描きつづけたからこそ沁みてくる。

家族というのは、何かが起きたときのヒーローというより、何も起きない日常を守ってくれる存在なのだと気づかされた。

主題歌はさだまさし『奇跡〜大きな愛のように〜』。
森宮さんの心にずっとあった優子への思いはこの曲が歌ってくれている。

"僕は神様でないから 本当の愛は多分知らない
けれどあなたを想う心なら 神様に負けない"

"どんなにせつなくても 必ず明日は来る
ながいながい坂道をのぼるのは あなた独りじゃない"

この小説で、強烈な悲劇や大逆転劇は起こらないかもしれない。
刺激が足りないと思う人もいるかもしれない。
しかし、それこそ、彼女がたくさんの大きな愛に守られてきた一番の証なのだ。
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この本のあらすじは準備中です。Amazonで読むこともできます。

ほのぼの、そっけない感じが面白かったです。アニメも好きです。この人がいいと思いました(*´∀`)
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この本の主題歌はウルフルズの「かわいいひと」。
ウルフルズらしいアップテンポな楽曲は、たぬき達のバタバタとした日常にぴったり合います。
また、彼らは関西出身の4人組バンド。そこも、たぬき4兄弟とイメージが重なりますね。
この曲のタイトルである「かわいい人」とは奥さんや彼女ではなく、メンバーのお母さんを想って歌われています。
素直になれない息子の母への愛。そんなもどかしさをコミカルにつづった歌詞に注目して聞いて下さい。
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中学の読書クラブの顧問として、生徒たちのビブリオバトル開催を手伝う愛奈。故郷の沼津に戻り、ブックカフェの開業に挑む彩加。仙台の歴史ある書店の閉店騒動の渦中にいる理子。そして亜紀は吉祥寺に戻り...。それでも本と本屋が好きだから、四人の「書店ガール」たちは、今日も特別な一冊を手渡し続ける。すべての働く人に送る、書店を舞台としたお仕事エンタテインメント、ついに完結!

本や人への愛が感じられなければ、書店も図書館も空虚な本棚です。良い本と出会える場所なら、きっと真っ白な気持ちで帰ることができると思います。
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「美意識」が必要なこと、鍛えることを説いてるこの本には、静かに身を委ねる曲が必要。そして「美意識」に繋がるようなもの。そのときに聞きたくなったのは、この曲。
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恋愛感情のない結婚をしたうみとアミ。南海トラフ地震後の2035年、息子のアオは奈良のお茶屋に向った――。七年ぶりの新作長篇。

スコーンが食べたくなる。
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殺された妻の仇を討つため非合法組織【令嬢】の社員として働く「鈴木」。復讐の機会をうかがっている最中、そのターゲットが何者かに殺され...。ナイフ使いの「蝉」、自殺させ屋「鯨」、そして謎の男「押し屋」を巻き込み、復讐劇は予測不可能な未来へ突き進む――

「回送電車は、まだ通過している。」
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"全然つかめないきみのこと
全然しらないうちに
ココロ奪われるなんてこと
あるはずないでしょ"

初期のえりか→久住への気持ちに似てるなと。
※1巻がどうやっても出てこなかったので2巻
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ボートで川下りをしたら滝に落ちそうになり、露天風呂で裸になったらアブの大群に襲われ、103歳のスーパーおばあちゃんと野宿し、電気クラゲの海に飛び込んで...。アウトドア遊びや貧乏旅で、ぼくと悪友たちが遭遇した抱腹絶倒の珍事件を綴る、青春エンタメエッセイ。

著者の大学時代のバイク旅やキャンプなどで遭遇した出来事が書かれている爆笑エッセイ集。爽やかで自由な旅を思わせるイージューライダーとぴったり
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人工知能の研究者だった父が、密室で謎の死を遂げた。「探偵」と「犯人」、双子のAIを遺して―。高校生の息子・輔は、探偵のAI・相以とともに父を殺した真犯人を追う過程で、犯人のAI・以相を奪い悪用するテロリスト集団「オクタコア」の陰謀を知る。次々と襲いかかる難事件、母の死の真相、そして以相の真の目的とは!?大胆な奇想と緻密なロジックが発火する新感覚・推理バトル。

物語の未来観をつくるためにどういう曲が当てはまるのだろうと探してたどりついたのがエイフェックス・ツイン。世界観の錯綜と混乱もあるので愉しめるとおもっています。
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映画になった話が二つです。どちらも面白いです。この曲がいいと思いました(*´∀`)
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36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが...。「普通」とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作。第155回芥川賞受賞。

他の誰かの正解は君の答えじゃない。
それぞれの複雑な数式の答えはきっともう君も出てるんだろう。
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あいたい―ライオンと鳥がたどる、せつなく壮大な物語。

「ひゃくじゅうの王じゃなくたっていいんだよ。おれはただ、あんたといたいんだ」

なんとなく、この人とはまた会えそうだ、という予感は時折ある。共にいる時間を稼ごうと執着しなくとも、自然と道が重なっていく。そんな関係が素敵だなと思う。
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今日、わたしは「さよなら」をする。図書館の優しい先生と、退学してしまった幼馴染と、生徒会の先輩と、部内公認の彼氏と、自分だけが知っていた歌声と、たった一人の友達と、そして、胸に詰まったままの、この想いと―。別の高校との合併で、翌日には校舎が取り壊される地方の高校、最後の卒業式の一日を、七人の少女の視点から描く。青春のすべてを詰め込んだ、珠玉の連作短編集。

君と過ごした校舎は
"どうやら僕らと一緒に卒業しちゃうらしい"

"何でもない毎日"に終止符を打つ
少女たちの物語にマッチした一曲。
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『平凡パンチ』で三島は若者のアイドルとなっていた。番記者として自決までの3年間を濃密に過ごし、文豪の素顔に迫った傑作ノンフィクション。関係年表・新原稿等大幅増頁の完全版。

格調高い文学のはずだけど、「おっぱいの描写が美しいから読め」と延々と勧められた本。
スピッツのドストレートなこの歌が浮かんで、もう...「おっぱい」を切り口にみんな、三島由紀夫をよむといいよ!
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片田舎に暮らす少年・江都日向は劣悪な家庭環境のせいで将来に希望を抱けずにいた。そんな彼の前に現れたのは身体が金塊に変わる致死の病「金塊病」を患う女子大生・都村弥子だった。彼女は死後三億で売れる『自分』の相続を突如彼に持ち掛ける。相続の条件として提示されたチェッカーという古い盤上ゲームを通じ、二人の距離は徐々に縮まっていく。しかし、彼女の死に紐づく大金が二人の運命を狂わせる―。抱えていた秘密が解かれるとき二人が選ぶ『正解』とは?

''雪が綺麗と笑うのは君がいい''
「ああ、エト。君はつくづく正解だなぁ」

- アル@読書垢
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ニューヨーク、マンハッタン。高層アパートの一室で、死の床にある大女優が半世紀近く前の殺人を告白した。事件現場は一階、その時彼女は34階の自室にいて、アリバイは完璧だったというのに...。この不可能犯罪の真相は?彼女の言うファントムとは誰なのか?建築家の不可解な死、時計塔の凄惨な殺人、相次いだ女たちの自殺。若き御手洗潔が摩天楼の壮大な謎を華麗に解く。

すごいスケール大きいトリックで、驚きました。ジャズっぽいこのバンドがいいかなと思いましたよ。
(*´∀`)
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米軍基地の街・福生のハウスには、音楽に彩られながらドラッグとセックスと嬌声が満ちている。そんな退廃の日々の向こうには、空虚さを超えた希望がきらめく―。著者の原点であり、発表以来ベストセラーとして読み継がれてきた、永遠の文学の金字塔が新装版に!群像新人賞、芥川賞受賞のデビュー作。

目まぐるしい客観
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「人生とは和風の朝ごはんみたいなものなのよ」小柳奈ノ花は「人生とは~」が口癖のちょっとおませな女の子。ある日、彼女は草むらで一匹の猫に出会う。そしてその出会いは、とても格好いい“アバズレさん”、手首に傷がある“南さん”といった、様々な過去を持つ女性たちとの不思議な出会いに繋がっていき―。大ベストセラー青春小説『君の膵臓をたべたい』の住野よるが贈る、幸せを探す物語。

''君がいなけりゃ私はないない''
_いいかい、人生とは。
_全て、希望に輝くあなたのものよ
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どこへ行ったのか。
目の前で踊っていた、あどけない少女の行方。目で追うことができずに見失った。

時間はゴム風船だ。
トゥシューズだけが白い影を残している。
蔦植物は足首に絡みつき、耳障りな音を立てる。

僕まで宙吊りにさせるつもり?生贄の子羊になろうとするのか。触れられたら困る場所に、手を伸ばす不届き者は誰?
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