善と悪、愛と憎しみ、生と死が交錯する直木賞受賞作! 著者が切望した、「いま世界に一番いて欲しい人」とは? 不慮の死を遂げた人々を“悼む”ため、全国を放浪する若者・坂築静人。静人の行動に戸惑いと疑念を覚え、その身辺を調べ始める雑誌記者・蒔野。末期がんに冒され、家族とともに最後の時間を過ごしながら、静人を案じる母・巡子。そして、自らが手にかけた夫の亡霊に取りつかれた女・奈義倖世。 静人の姿が3つの視線から描かれ、その3つのドラマが、やがて1つの大きな物語の奔流となる。「この方は生前、誰を愛し、誰に愛され、どんなことで人から感謝されてでしょう?」静人の問いかけは、彼を巡る人々の心を、少しずつ動かしていく。 家族との確執、死別の悲しみ、自らを縛りつける呪縛との対決。そして避けられぬ死の傍らで、新たな命が——。静かな感動が心に満ちる感動の巨編!
彼女の強さ儚さ繊細さと歪な感情がひしひしと伝わってきては
涙が溢れた作品。
幸乃を心から必要とする人は確かに居たんだ!
都内の中学に通う遠野貴樹(たかき)の元に、転校してしまった初恋の相手である篠原明里(あかり)からの手紙が届く。一九九五年の冬の終わり。明里との再会を果たすため、貴樹は次第に強くなる雪の中を明里の待つ岩舟駅へと向かう―。十三歳のふたりの上に永遠と瞬間が交差し、ふりそそぐ(『桜花抄』)。一九九九年、高校三年の何もかもうまくいかない夏。種子島に暮らす澄田花苗(かなえ)は、東京から転校してきた貴樹に宿命的な片想いをしている。サーフィンで波に立てた日に貴樹に告白すること。密やかな決意を胸に、花苗は必死に波に向かう(『コスモナウト』)。仕事を終えた深夜の帰宅路、貴樹は灯りの消えた高層ビルを見上げ思う。そんなに簡単に救いが降ってくるわけはないんだ、と―。東京での大学生活、就職してからの水野理紗(りさ)との出会い、いくつかの喪失とささやかな再生。そしてまた、東京に桜の咲く季節が訪れる(『秒速5センチメートル』)。一人で作ったアニメーション作品『ほしのこえ』で鮮烈なデビューを飾った、映画監督・新海誠の初小説作品。
いや、なったからこそ、
日々気づかされる自分の未完成さ。
一人きりではやりきれなくなるそんなときに、
思い浮かぶ誰かがいてくれることに救われる。