1995年1月、地震はすべてを一瞬のうちに壊滅させた。そして2月、流木が燃える冬の海岸で、あるいは、小箱を携えた男が向かった釧路で、かえるくんが地底でみみずくんと闘う東京で、世界はしずかに共振をはじめる...。大地は裂けた。神は、いないのかもしれない。でも、おそらく、あの震災のずっと前から、ぼくたちは内なる廃墟を抱えていた―。深い闇の中に光を放つ6つの黙示録。

リスト『愛の夢 第3番』。感想を言葉にするのが惜しく、あるいは難しいのでクラシックのピアノ曲。6篇いずれも美しく静かな文章の中で、一人一人の人生の劇的な変化が阪神淡路大震災と共にもたらされる様子が描かれる。
哀しさとロマンチックさが優雅に溶け合う物語にはこの曲が合う。
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人は14歳以降、一度は考えておかなければならないことがある。

この世界はとうに荒れている。人々は救いを求めて、嘆く声が後を絶たない。さて、何処へゆこうか。私達には未来がある。生きる手段がある。今は抵抗の時だ。信じよう。物語は、何時だって貴方の側に居るのだから。 
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作家の日々は、真剣かつ貪欲。最新エッセイ集!

良くも悪くも「子供」の部分を忘れていない辻村さんは、歌詞のとおり、“「ときめく」だけで いつでも子供になれる”人だと感じました。
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この本のあらすじは準備中です。Amazonで読むこともできます。

マニアックだけど、あおいが順正との思い出を回想しているシーン。
彼女が唯一、順正に心を開いていたなーと。
「あらわに心をさらしてよ ずっと二人でいられたらいい」って思ってたのにねぇ。
「表通りには花もないくせにトゲが多いから油断していると刺さるや」
七人の敵、じゃ足りないくらい外はいろんな敵がいるけれど、
「君を抱いたら不安は姿を消すんだ」
ふたりでいて、心にATフィールドがはられるかのような安心感があったのかなーっと。
「くすぐったいような乱暴に君の本能が応じてるとき~日常が押し殺してきた剥き出しの自分を感じる」
「壊れるほどの抱擁とキスで」
あー、若いな...。若い。
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『チルドレン』から、12年。家裁調査官・陣内と武藤が出会う、新たな「少年」たちと、罪と罰の物語。

やさしいけどやるせない、やるせないけどやさしい。ラスト1ページの後にイワンのようなやさしさが広がっていて欲しい。
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就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。

一見合わない感じに見えるかもしれないけど、
本のコンセプトと曲の歌詞のイメージがあってる。
あと、普通に曲がかっこよすぎる。(笑)
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家にも学校にも居場所を見出せず、自分を愛せずにいる14歳の少女。茉莉。かつて最愛の人を亡くし、心に癒えない傷を抱え続けてきた画家・歩太。20歳年上の歩太と出会い、茉莉は生まれて初めて心安らぐ居場所を手にする。二人はともに「再生」への道を歩むが、幸福な時間はある事件によって大きく歪められ―。いま贈る、終わりにして始まりの物語。『天使の卵』から20年、ついに感動の最終章。

「汚い」自分を愛せない茉莉と、癒えない喪失感を抱く歩太。
手を取り心を通わせた二人の未来がこうあるようにと、願わずにはいられない。

シリーズ作の『天使の卵』『天使の梯子』も併せてどうぞ。
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第二次大戦下のニューヨークで、居並びセレブの求愛をさらりとかわし、社交界を自在に泳ぐ新人女優ホリー・ゴライトリー。気まぐれで可憐、そして天真爛漫な階下の住人に近づきたい、駆け出し小説家の僕の部屋の呼び鈴を、夜更けに鳴らしたのは他ならぬホリーだった...。表題作ほか、端正な文体と魅力あふれる人物造形で著者の名声を不動のものにした作品集を、清新な新訳でおくる。

ホリーの身軽さや可愛らしさ。それから、ものすごく空っぽのようにみえる、本物の偽物と称される振る舞い。そこにどうしようもなく引き寄せられた男たちが、彼女がどこかに消えてしまったあとも、彼女を理解したかったに隠して、自分をわかって欲しかったと訴えたい振り返りのストーリー。
まやかしのようなのにたしかにここにいた、というとこも、この曲にぴったりだと思いました。
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あってはならない感情なんて、この世にない。それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ――共感を呼ぶ傑作か? 目を背けたくなる問題作か? 絶望から始まる痛快。あなたの想像力の外側を行く、作家生活10周年記念、気迫の書下ろし長篇小説。

「地球に留学してるみたいな気分」×「生まれ落ちた日からよそ者」
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人類初の火星探査に成功し、一躍英雄となった宇宙飛行士・佐野明日人。しかし、闇に葬られたはずの火星での“出来事”がアメリカ大統領選挙を揺るがすスキャンダルに。さまざまな矛盾をかかえて突き進む世界に「分人」という概念を提唱し、人間の真の希望を問う感動長編。Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。

未来観を演出するという趣旨で今回はスーパーカーの名曲を択んでみました。「交響詩篇エウレカセブン」を知っている人にはイメージがつながるテーマだと察します。
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電飾で飾られた砂糖菓子が歩く。虎と鱒が微笑んでいる。

白いカーネーションでできた橋を渡る、血液の街。裸で吊るされた家畜の姿を見たかい。
砕いた星で餌付けしようよ。口移しがいいな。子どもたちは叫ぶ。機関車みたいだ。

柩の中、女の子が髪で顔を隠して泣いている。林檎の樹が白くなった。干上がった海の色だね。

螢が瞬きをすれば、太陽。ほら目の前だよ。
あなたがわたしの名前を決める。
祝福しようよ。メメント・モリ。
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人間の信頼と友情の美しさを、簡潔な力強い文体で表現した『走れメロス』など、安定した実生活のもとで多彩な芸術的開花を示した中期の代表的短編集。「富士には、月見草がよく似合う」とある一節によって有名な『富岳百景』、著者が得意とした女性の独白体の形式による傑作『女生徒』、10年間の東京生活を回顧した『東京八景』ほか、『駈込み訴え』『ダス・ゲマイネ』など全9編。

ラストで三人が肩を組み乍、遠く輝く黄金の空を見つめているイメージで選曲しました。

メロスとセリヌンティウスのみならず、改心した暴君ディオニスとの間にも芽生えた友情に、ぴったりの曲だと思いました。
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最高です。すごいしっくりきました。その発想はなかった…
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中学1年生の海月が幼馴染の樹絵里に誘われて入部したのは「飛行クラブ」。メンバーは2年生の変人部長・神、通称カミサマをはじめとするワケあり部員たち。果たして、空に舞い上がれるか!?私たちは空が飛べる。きっと飛べる。かならず飛べる。空とぶ青春小説。

なぜか空を飛びたい中学生たちの話です。爽やかスッキリな話でしたよ。素朴な感じのカバー曲にしました(*´∀`)♪
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地球征服を目論みながら、死闘の末に光の国のウルトラ戦士たちの手で野望を打ち砕かれたヴェンダリスタ星人。しかし、辛うじて生き残ったキップ・ラト・メイスは、超常の力で全人類に屈服を強いていた―。一方で、彼ら同様に唯一生き残ったウルトラの聖女ティアは、なおも抗戦を続けるために、心ある人間たちを光の国の“飛び地”でウルトラ化する。二柳日々輝は、ウルトラマンデュアルとして地球を救う戦いに身を投じる!

「光の戦士は涙を流さない代わりに苦しむ」
「正義は悪に育まれることを知れ」
「愛に甘えた人類が悪のようにも思えてくる」

Life of planet.この航海はどこに向かっている?
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大人の凝り固まった常識を、子どもたちは軽く飛び越えていく。世界の縮図のような「元・底辺中学校」での日常を描く、落涙必至のノンフィクション。

So what's the matter with you?
それで、君の問題って何なの?
Sing me something new
それより何か新しい曲でも歌ってよ
Don't you know the cold and wind and rain don't know
寒さも風も雨も、分かってはくれない
They only seem to come and go away
ああいうのはただ通り過ぎて行くだけ

ということで、oasisのスタンド・バイ・ミーをお送りしました。西加奈子さんのiと並んで、シリアで過ごしていた某ロックバンドのボーカルさんに読ませたいですね。本気で思っています。まる。
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最近全く本読めてないのでこれ読んでみようかなと思いました!!
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90年代の東京で二人の青年が出会った。画力至上主義を公言して憚らない山手と、画力よりも漫画のウマさで勝負する帆足。二人は友人として、ライバルとして、互いに認めあい、ときには蔑みあいながら、ともに一流漫画家を目指していた。そして、もうひとり、彼らの仲間に加わったのが、美術系の予備校生だという兵頭だった。漫画家志望ではない兵頭は、二人と付かず離れず、微妙な間合いを取りながら、「業界」を巧みに遊泳していく。理想と現実の間であがき、時代の流れに翻弄される彼らの明日は!?―。

『雲形の三角定規』という話は、90年代のぼくの周囲で起きた出来事をフィクションとして再構成した作品で、この曲が後半のとあるシーンで出てくるのだけど、「あざとい」と批判されてムカついた記憶が。
確かに、神戸出身の知人が亡くなってその葬儀に参列した話と、別の神戸出身の知人の体験談から再構成したシーンなので、その意味ではあざといのだろうけど、批判はフィクションで震災を扱ったこと自体が間違っていると言わんばかりだったので殺意が湧いたわけです。
フィクションだけど、実話なんだからしょうがないだろ、というか。

それはそれとして、ぼくはもともとニューエスト・モデルのファンで、それも大阪のアンダーグラウンドな音楽シーンにどっぷり浸かっていた友人から教えてもらったので、ソウル・フラワー・ユニオンの『満月の夕』が神戸と結びついていることは、関西とそれ以外では異なるニュアンスがあることも知っていて、件のシーンを書いたわけです。

とはいえ、ニューエスト・モデルが中村とうよう的なワールド・ミュージック概念の影響を受けてソウル・フラワー・ユニオンになったことは、理念的には面白かったけども、音楽的な快楽は減退してしまったように感じていて、結局、『満月の夕』から、NHK「みんなのうた」の『青天井のクラウン』、登川誠仁と共演した『緑の沖縄』くらいまでが全盛期になってしまったのは、ちよっと残念ではあります。
90年代当時は、フリッパーズ・ギターや電気グルーヴと肩を並べるバンドだったのに、『雲形の三角定規』を発表した10年代には、引用した寓意が通じないほど忘れられてしまったことが。
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悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。廃業しているはずの店内に、突然シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が落ちてきた。時空を超えて過去から投函されたのか?3人は戸惑いながらも当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くが...。次第に明らかになる雑貨店の秘密と、ある児童養護施設との関係。悩める人々を救ってきた雑貨店は、最後に再び奇蹟を起こせるか!?

手紙のやりとりを通して抱えていた悩みに答えを出していく相談者たち。誰もが自分と向き合うことで、強い気持ちを忘れない。MISIAの透き通った力強い歌声に重なり、この曲を選んでみました。
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「人間レベル2」の僕は、教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまでは―。しかしその裏には、僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった...!」恋愛の持つ切なさすべてが込められた、みずみずしい恋愛小説集。

表題作の「百瀬、こっちを向いて。」にピッタリな曲だと思いました。
「ありふれた時間が愛しく思えたら
それは“愛の仕業”と小さく笑った
君が見せる仕草 僕に向けられてるサイン
もう何一つ見落とさない
そんなことを考えている」
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色のない世界から色のある世界へ。大事なことは、少し遅れてやってくる、十数年にわたって書かれた18篇のピース。

広島の炎も、震災の制御棒も、記憶の穴の中に吸い込まれては、消えてゆく。かつて、記憶には色があった。でも今は『無彩色』だ。
ここではないどこかを常に求める私は、愚かだろうか。
まだ見ぬ未来に思いを馳せても、少し位構わないと思っているのだが。
平和の象徴の鳩が咥えたオリーブの枝が、新たな心の中に空洞を抱えた人々の心を癒しますようにと、願わずにはいられない。

『きみに視えるかな ぼくのハートは幾何学模様』

頭に穴が空いた男の記憶を辿れば、きっと幾何学模様の記憶、万華鏡の世界が現れてくるのだろう。
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あなたを、助けたい。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。

こころちゃんの名前とシンクロするところや、強さを身につけていく過程、クライマックスのあたりにこの歌が聴こえてきそうに感じました。
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